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首こりで息苦しく感じるのはなぜ?首・肋骨・呼吸の関係

「なんか、息がちゃんと入らないんです」

首こりの方とお話ししていると、たまにこんなことを言われます。

息はできている。

普通に会話もできる。

でも、なんとなく吸いきれない。

大きく息を吸おうとしても、胸の上の方で止まる感じがする。

思わず、

「ふぅ〜っ」

と大きなため息をつきたくなる。

で、そんなときに限って、首もガチガチ。

肩も重い。

「首が凝ってるから、息苦しいんですかね?」

と聞かれることがあります。

これ、なかなか面白い質問です。

ただ、最初に一つだけ。

「首こりだから息苦しい」

と簡単に決めつけることはできません。

息苦しさには、肺や心臓などの病気が関係することもあります。

そこはきちんと分けて考える必要があります。

そのうえで、病院で大きな異常はない。

でも、首がガチガチで、なんとなく呼吸もしづらい。

そんな方の身体をみていると、私は、

「この人、息を吸うたびに首まで頑張ってないかな?」

というところを確認することがあります。

ということで今回は、首こりと呼吸のお話です。


目次

首こりと息苦しさ、こんな感じありませんか?

たとえば、

  • 首が凝ってくると呼吸まで浅く感じる
  • デスクワークの夕方になると大きく息を吸いたくなる
  • 深呼吸すると肩が上がる
  • 息を吸うと首の前側に力が入る
  • 胸の上の方ばかり動いている感じがする
  • ため息が増えた
  • 胸いっぱいに息を吸えない感じがする
  • 首や肩をほぐしてもらうと呼吸まで少し楽に感じる
  • 緊張している日は首も呼吸もつらい
  • 病院では大きな異常はないと言われた

こんな感じです。

で、

「呼吸が浅いからですか?」

と聞かれることがあります。

うーん。

それだけでは、ちょっと説明が足りません。

今回見てほしいのは、

「浅いか深いか」より、どこを使って息を吸っているのか。

です。


普通、呼吸ってどこでするんでしょう?

「肺」

ですよね。

もちろん正解です。

ただ、肺そのものが筋肉で、自分からグイッと膨らんでいるわけではありません。

呼吸するときには、胸郭が動きます。

そして、その動きを作る中心的な筋肉の一つが、横隔膜です。

息を吸う。

横隔膜が働く。

胸郭が広がる。

肋骨も動く。

その結果、肺の中へ空気が入ってきます。

普段、安静にしているときの呼吸なら、わざわざ首をガチガチにしなくてもできます。

ところが、ここからが今回のお話です。


実は「首」にも呼吸を手伝う筋肉があります

首には、「斜角筋」という筋肉があります。

それから、首の前側にある、「胸鎖乳突筋」。

聞いたことがある方もいると思います。

これらの筋肉は、実は、首を動かしたり、頭を支えたりするだけではありません。

呼吸が大きく必要になったときには、肋骨や胸骨を引き上げて、息を吸うのを手伝う役割もあるんです。

つまり、首の筋肉には、

「首を支える仕事」

だけではなく、

「呼吸を助ける仕事」

もあるんです。

これ、今回かなり大事です。


一度、大げさに息を吸ってみてください

今、ちょっとだけやってみましょう。

思いっきり、スーーーーッ! と大きく息を吸ってみてください。

どうでしょう?

肩、上がりませんでした?

首筋にも、少し力が入りませんでした?

これは、大きく息を吸おうとすると、首周辺の呼吸を助ける筋肉も働きやすくなるからです。

運動したあとなんかを想像するとわかりやすいです。

ハァハァして、肩を上下させながら呼吸する。

あれも、身体がより多く呼吸しようとして、いろいろな筋肉を使っている状態です。

では、ここで疑問。

運動していないのに、普段からそんな呼吸になっていたら?

どうでしょう?


息を吸うたびに首まで頑張っていたら?

人は、一日にものすごい回数、呼吸しています。

そのたびに、毎回、首の筋肉まで、

「よいしょ!」

「よいしょ!」

と手伝っていたら。

そりゃ、首も休む暇がありません。

私は、首がガチガチの方を見るとき、首の硬さだけではなく、呼吸したときに、

「どこが動いているか」

も見ることがあります。

息を吸う。

肩がグッと上がる。

首の前側に力が入る。

胸の上だけが持ち上がる。

でも、下の肋骨やお腹側はあまり動かない。

そんな場合、

「首も結構、呼吸を手伝ってるなぁ」

と感じることがあります。


じゃあ、首こりの原因は「呼吸」なんですか?

ここで、また単純化しないでくださいね(笑)。

「あなたの首こりは呼吸が原因です!」

という話ではありません。

首こりには、本当にいろいろな要因があります。

デスクワーク。

スマートフォン。

首そのものの問題。

目の疲れ。

身体の使い方。

ストレス。

いろいろです。

呼吸も、その中の一つとして見る必要がある。

それくらいに考えてください。

大切なのは、

「首が硬いから首だけ揉めばいい」

ではない、ということです。


ここで今回もう一つ見てほしいのが「肋骨」です

息を吸う。

胸郭が広がる。

ということは、肋骨が動くということです。

肋骨というと、胸の前にある骨のように思いますが、背中側では胸椎につながっています。

つまり、肋骨は、身体をぐるっと囲んでいます。

息を吸うと、前だけではなく、横や後ろにも動きます。

なので私は、呼吸を見るとき、胸だけを見ません。

右の肋骨。

左の肋骨。

下の方。

背中側。

いろいろ見ます。


「胸を大きく膨らませる=良い呼吸」でもありません

ここも、結構勘違いされやすいところです。

「呼吸が浅いと言われました」

「じゃあ、大きく胸を張って深呼吸しよう!」

となる。

胸を張る。

肩を後ろへ。

スーーーーッ!

肩が上がる。

首に力が入る。

もっと吸おう。

さらに首に力が入る。

……。

これでは、深呼吸の練習をしながら、首を一生懸命鍛えているみたいになってる人もいます。

深呼吸は、大きく吸えばいいわけではありません。

むしろ、

「いっぱい吸おう」

と頑張りすぎている人ほど、首や肩に力が入っていることもあります。


「息を吸う」より「息を吐く」

そんな方には、私はまず、

「無理に吸わなくていいですよ」

とお伝えすることがあります。

吸おう。

吸おう。

もっと吸わなきゃ。

そう思うほど、身体は力みやすくなります。

なので、まず、ふぅ〜〜〜。

と楽に吐く。

吐けたら、あとは身体に任せる。

すると、自然に次の息が入ってきます。

呼吸って、本来、毎回こちらが、

「はい、吸って!」

と命令しなくても、勝手に続いていますよね。

だから、呼吸を上手にしようと頑張りすぎない。

これも結構大事なんです。


でも、なんで肋骨が動きにくくなるの?

これも一つの理由ではありません。

ただ、普段の生活を考えてみてください。

パソコン。

スマホ。

車の運転。

テレビ。

食事。

ほとんど、身体の前で何かしています。

その間、胸郭を大きくいろいろな方向へ動かす機会は、

そんなに多くありません。

それに、緊張しているとき。

何かに集中しているとき。

急いでいるとき。

身体に力が入って、息を止めていたり、小さな呼吸になっていたりすることもあります。

その状態が長く続くと、本人は、呼吸を頑張っているつもりなんてありません。

でも、いざ大きく吸おうとすると、

「あれ?胸が広がらない」

となる。

そこで首まで使って、さらに吸おうとする。

こういうことも考えられます。


首こりの人に「息を吸ってください」とお願いする理由

実際の施術でも、首こりの方に、

「一度、普通に息を吸ってみてください」

とお願いすることがあります。

すると、スッ。

と吸った瞬間に、両肩がグッと上がる方がいます。

あるいは、右肩だけ上がる。

首筋がグッと浮き出る。

胸の上だけ動く。

そんなことがあります。

そこで、肋骨の動きを確認してみる。

すると、身体の横側や、下の肋骨、背中側の動きが小さかったりする。

こんな場合、私は首だけを施術することはしません。

首。

肋骨。

胸郭。

胸椎。

横隔膜周辺。

そして必要に応じて、身体全体を確認します。

なぜか?

首が硬くなった理由を、首だけに求めたくないからです。


「首が呼吸を邪魔している」のではなく「首が呼吸を助けている」かもしれない

これ、今回一番お伝えしたいところです。

首が硬い。

呼吸もしづらい。

となると、

「硬い首が呼吸の邪魔をしている」

と思いませんか?

でも、見方を変えると、反対かもしれません。胸郭だけでは足りない分を、

首が一生懸命、

「こっちも手伝うで!」

と助けてくれてる。

その結果、首の筋肉が休めなくなってる。

そんな見方もできます。

つまり、首はまた、悪者ではなく、頑張っている側なのかもしれません。


首が頑張る理由には、呼吸だけでなく肩甲骨や腕の使い方が関係することもあります。
**「首を揉んでもすぐ戻る理由」**はこちらで詳しく解説しています。

そして「第一肋骨」という場所

首と肋骨の境目には、第一肋骨があります。

一番上の肋骨です。

かなり上にあるので、

「そんなところまで肋骨なん?」

というくらいの場所にあります。

そして、先ほど出てきた斜角筋は、この上の方の肋骨に関係しています。

つまり、首と胸郭って、思っている以上に近いんです。

首。

鎖骨。

第一肋骨。

胸郭。

呼吸。

解剖学的にも、完全に別々の世界ではありません。

なので、首こりと呼吸の違和感が一緒にある方を見るとき、首だけではなく、首から胸の入口あたりも確認していきます。


オステオパシーでは「呼吸が浅い」で終わりません

「呼吸が浅いですね」

と言うだけなら簡単です。

でも、私はその先を見たいと思っています。

なぜ、首を使って息をしているんだろう?

右と左の肋骨は同じように動く?

胸郭は動く?

息を吐くと身体の力は抜ける?

首を動かしたときは?

姿勢を変えたら呼吸も変わる?

いろいろ見ます。

オステオパシーには、身体は一つのユニットとして機能するという考え方があります。

今回なら、



斜角筋・胸鎖乳突筋

上部肋骨・胸骨

胸郭

呼吸

というつながりを見るわけです。

もちろん、この順番で悪くなるという意味ではありません。

「どこが原因か」を最初から一つに決めるのではなく、全体がどう協力して呼吸しているかを見ていきます。


ちょっと自分の呼吸をチェックしてみましょう

難しいことはしません。

鏡の前でもいいです。

普通に座って、肩の力を抜きます。

そして、いつも通り呼吸してください。

そのとき、次のようなことはありませんか?

  • 息を吸うたびに肩が上がる
  • 首筋に力が入る
  • 胸の上の方ばかり動く
  • 左右の肩の上がり方が違う
  • 深呼吸するとかえって苦しい
  • 吸うことばかり意識してしまう
  • 大きなため息を何度もつきたくなる
  • 首こりが強い日は呼吸もしづらく感じる
  • 首や肩の力を抜くのが難しい

当てはまったからといって、

何かの病気や原因が決まるわけではありません。

ここは大事です。

ただ、首だけでなく、自分が普段どんな呼吸をしているかを見るヒントにはなります。


今日からやってほしいことは3つだけ

今回も、10個書いてもやらないと思いますので(笑)、3つだけです。

1.「大きく吸おう」を一旦やめる

息苦しいと、つい、

「もっと吸わなきゃ」

と思います。

でも、頑張って吸うほど、肩や首に力が入る方もいます。

そんなときは、無理に深呼吸しない。

まず、ふぅ〜〜っと楽に吐く。

それだけです。

そして、次の息は自然に入ってくるのを待つ。

「ちゃんと吸わなきゃ」

と思わなくて大丈夫です。


2.肩ではなく、肋骨の横を感じてみる

両手を、脇腹より少し上、肋骨の横に軽く当ててみてください。

そして、普通に呼吸します。

吸ったとき、手が少し外へ広がる感じがありますか?

無理に広げなくて大丈夫です。

「ここも動くんやな」

くらいでOK。

3〜5呼吸程度で十分です。


3.首が力んでいないか時々確認する

パソコン仕事をしている途中。

スマホを見ている途中。

一度、自分の首を触ってみてください。

ガチッと力が入っていませんか?

肩が上がっていませんか?

もし力が入っていたら、ふーっと吐いて、一度肩を下ろす。

これだけで構いません。

首を一生懸命ストレッチするより先に、

「そもそも休ませる時間ある?」

を確認してあげてください。


ただし「息苦しさ」は首こりだと自己判断しないでください

ここは、今回の記事で一番大事なところかもしれません。

息苦しさには、肺や心臓をはじめ、医療機関で確認すべきさまざまな原因があります。

ですので、特に、

  • 急に強い息苦しさが出た
  • 胸の痛みや圧迫感を伴う
  • 会話を続けるのが難しいほど息苦しい
  • 安静にしていても強い呼吸困難がある
  • 唇などの色がおかしい
  • 意識がぼんやりする
  • 強い動悸、冷や汗、めまいなどを伴う
  • 発熱や咳などとともに呼吸が苦しい
  • 症状が急速に悪化している

こんな場合は、

「首が凝ってるせいかな?」

と考えず、速やかに医療機関へ相談してください。

急激で強い症状なら、救急医療が必要な場合もあります。

また、軽いように感じても、息苦しさが繰り返す、長く続く、以前より悪化している場合は、一度医療機関で確認してください。


病院では大きな異常なし。でも首も呼吸もつらい

一方で、病院では検査を受けた。

心臓や肺などに大きな異常はないと言われた。

でも、首がガチガチ。

肩にもずっと力が入っている。

そして、なんとなく息を吸いにくい。

そんな場合は、

「もっと大きく深呼吸しよう」

ではなく、ちょっと違う視点を持ってみてもいいと思います。

首。

上の肋骨。

胸郭。

横隔膜周辺。

そして、普段の呼吸の仕方。

それぞれ別々に見えますが、身体の中では、毎回の呼吸で一緒に働いています。


首こりそのものについては、
神戸元町整骨院KUの首こりページでも詳しくご案内しています。

最後に

また仕事中、なんとなく息が入りにくくなって、スーーーーッ! と大きく吸いたくなったとき。

ちょっとだけ、自分の肩を見てみてください。

上がっていませんか?

首筋、ガチガチになっていませんか?

そんなとき、さらに頑張って吸う前に、一回だけ、ふぅ〜〜〜。

と吐いてみてください。

もしかすると、あなたの首は、呼吸の邪魔をしているのではなく、ずっと呼吸を助けようと、頑張ってくれているのかもしれません。

だから私は、首こりだから首だけを見る。

息苦しいから呼吸だけを見る。

という見方はしません。

身体全体をみながら、

「なんで、この首まで呼吸を手伝わなあかんのやろ?」

を探していきます。

それが、オステオパシーで身体をみる面白さでもあります。


神戸元町で首こりと呼吸のしづらさにお悩みの方へ

神戸元町整骨院KUでは、首こりがある場合でも、硬くなった首だけを見るのではなく、首周辺の筋肉、上部肋骨、胸郭、胸椎、呼吸のときの身体の動きなどを含めて、全身の状態を確認します。

「首こりが強いと呼吸までしづらく感じる」

「大きく息を吸うと肩が上がる」

「首や肩にいつも力が入っている」

「病院では大きな異常はないと言われたけれど、呼吸の違和感が気になる」

そんな場合は、一度ご相談ください。

「首が硬い」「呼吸が浅い」という結果だけではなく、身体がどのように呼吸しているのか。

オステオパシーの考え方をもとに、身体全体を丁寧にみていきます。

※息苦しさには心臓や肺などの疾患が関係する場合があります。急な強い呼吸困難、胸痛、意識の変化などがある場合は、整体ではなく医療機関での診察を優先してください。

オステオパシーによる慢性頸部痛への研究については、こちらの記事でエビデンスを解説しています。

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